W/O型乳化物は, リッチなクリーム類に多用されているが, 通常の乳化剤ではW/O型乳化が難しいと言われている油性物質も多い。今回われわれは, 分子内に加水分解シルクタンパク質, アルキル基, シリコーン鎖と性質の異なる部位を有している多機能性ハイブリッドポリマーをW/O型乳化物の調製に用いてその有用性を検討した。このハイブリッドポリマーを用いることで, 従来困難であると言われていた極性油やシリコーン油のW/O型乳化物の調製が容易にでき, しかも乳化物は長期間安定であることを見出した。さらに, 化粧品製剤への応用として, W/O型サンスクリーンを調製して使用感の評価を行ったところ, ハイブリッドポリマーを用いて調製したサンスクリーンは, 通常のW/O型乳化物のべたつきを抑えながらしっとり感を与える効果があることが確認できた。このハイブリッドポリマーの保湿性はin vivo, in vitro試験からも確認できた。