42 巻 (2008) 2 号 p. 102-109
サンスクリーン製品を開発する際, 効果と感触の間でどのように妥協するか常に悩まされる。SPF値を上げようとすると紫外線吸収剤の量が増え, べたつきが増す。そこでわれわれは無機紫外線散乱剤を含んだ水系サンスクリーンジェルがこれらの問題を解決する効果的な方法であると考え「水へ分散可能な無機紫外線散乱剤を水系ジェルに組み入れる」という課題について検討した。その結果, 高い紫外線防御効果と, 高い水分散性をもったポリマー一酸化亜鉛コンポジット (P-ZnO) の開発に至った。P-ZnOは従来困難であった無機粉体を含んだサンスクリーンジェルの調製を可能にした。P-ZnOは粒径約10nmの微粒子酸化亜鉛がポリアクリル酸ナトリウムで被覆かつ連結された大きさが約500nmの集合体コンポジットであった。その構造から, 酸化亜鉛の粒子成長を制御し, 表面活性を防いでいることが示唆された。本コンポジットを配合した水系サンスクリーンジェルは紫外線防御効果と同時に快適な使用性を併せ持つことを確認した。