2024 年 31 巻 7 号 p. 12-22
パラバドミントン低身長クラスの男性選手1名を対象に実施した6ヵ月間のストレングストレーニングが筋力および垂直跳躍指標に与える影響を報告することを目的とした。本報告期間のストレングストレーニングプログラムには、バドミントン競技の競技特異性を考慮し、Day1に両側性の種目を、Day2に片側性の種目を採用した。6ヵ月間のトレーニング介入により、バックスクワット、ベンチプレスの最大挙上重量がそれぞれ15 kg(14.3%)、7 kg(11.5%)増加し、背筋力が9 kg(15.9%)増加した。垂直跳躍について、最大挙上重量測定セッション時の3種類の垂直跳躍高すべてがベースライン値よりも高値であった一方、修正反応筋力指数はモニタリング期間中ベースライン値を上回ることはなかった。本報告は選手1名のみを対象としているためさらなる知見の集積が求められるが、競技特異的な動作パターンを考慮したプログラムが最大挙上重量や垂直跳躍高の向上に有効であることが示唆された。