2025 年 32 巻 8 号 p. 56-69
回復を伴わない長期間のオーバーリーチングは、非機能的オーバーリーチングおよびオーバートレーニングのリスクを伴う。コーチはこれらのリスクを低減するため、しばしばジャンプテストを用いてオーバーリーチングのスクリーニングを実施しているが、多くのコーチは、どのジャンプ変数を測定すべきか確信をもてずにいる。そこで、トレーニングストレスの増大に関連づけられるジャンプの運動力学的および運動学的変数を特定することを目的に、システマティックレビューを実施した。無負荷の垂直跳びテストを用いて、全国レベル以上の健康な成人アスリートにおけるオーバーリーチングをモニタリングした論文を採用した。運動力学的/運動学的変数の測定値を報告していない、効果量(ES)および信頼区間(95%CI)を算出するのに十分なデータを含まない、あるいは英語で書かれていない論文は除外した。14件の論文が、採用基準を満たした。大半の研究は、バイアスリスクが低い(71.4%)か中程度(21.4%)であった。29の異なる結果変数が報告され、うち11の変数が複数の研究で報告されていた。最も多く報告されていた測定値は、滞空時間と筋活動時間の比(15のESが報告)、跳躍高(JH:12のES)、平均パワー(7つのES)、ピークパワー(PP:7つのES)、平均速度(5つのES)、およびピークフォース(PF:5つのES)であった。そのうち、PP、PF、およびJHは、最も一貫して負の変化を示した。コーチは、ジャンプのスクリーニングにおいて、ジャンプ方法の変化を含む指標をJHと併せて考慮すべきである。