2022 年 50 巻 2 号 p. 139-144
anterior condylar confluence dural arteriovenous fistula(ACC DAVF)のシャント部位に関し,最近骨内静脈路の関与が提唱されている.今回われわれは骨内shunting pouchの塞栓に流出路塞栓を追加し,舌下神経障害なく治療し得た症例を報告する.症例は77歳,女性.経静脈的塞栓術の際,骨内shunting pouchの塞栓のみでは不完全閉塞となり,流出路塞栓を追加することにより完全閉塞を得た.ACC DAVFの治療において,舌下神経障害を確実に回避するための骨内shunting pouchの塞栓や流出路塞栓は,症例によっては有用であると思われた.