システムダイナミックス
Online ISSN : 2434-2025
企業の人的資源に関する施策立案のためのシステム・ダイナミックスを用いたボトムアップアプローチモデリング
岡田 伊策高橋 裕稗方 和夫
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 17 巻 p. 17-30

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抄録

日本のIT企業は、超過勤務が多いことで知られている。企業における人的資源に関する施策は、組織の全体パフォーマンスを左右する重要なものである。様々な施策は、それぞれの効果や即効性に差がある。施策選択支援のためには、欧米型のトップダウンマネジメントモデルに沿った「トップダウンアプローチ」モデリングが一般的だが、仮説設定を詳細。精緻に行なわないと結果が大きく揺らぐ。一方、日本の経営者はこの手間と時間の割に結果が揺らぐリスクが下がらないことから、経験と勘で意思決定することを選びやすい。その結果、意思決定に必要な要素や関係性に欠如や脱落があった場合に気づき難く、また他者から見て意思決定の主因が何であったか検証し難い。そこで、本研究では様々な経営施策を、システム・ダイナミックスを用いた「ボトムアップアプローチモデリング」でモデル化して、経営者が最適な施策を選択できるようにした。 本手法は、情報収集。調査から、モデル構築、シミュレーション、感度分析を経て意思決定にいたる。本提案手法は施策のダイナミックな効果や悪影響の定量的連関を、業務現場が実務とモデルの関連付けを理解でき、実務への反映を納得できるレベルの詳細度で可視化して、結果の揺らぎを抑制する。同時に本提案手法を用いることにより、意思決定に必要十分な要素が検討されたこと、および意思決定の主因が何であったかを客観的に検証し易くなる。本論文では提案手法を用いて、IT企業でケーススタディして、その有効性を検証した。

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© 2019 システム・ダイナミックス学会日本支部
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