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物理探査
Vol. 59 (2006) No. 4 P 327-336

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http://doi.org/10.3124/segj.59.327

論文

 大阪平野内で励起されるやや長周期地震動の平均的な卓越周期を求めるため,関西地震観測研究協議会(関震協)の強震観測点で観測されている MJ5 以上の地震で,大阪平野を取り囲むような震央位置にある 7 つの地震を選び,大阪平野内の強震観測点におけるやや長周期地震動の平均卓越周期を求めた。その結果,水平動成分は周期 2~6 秒,上下動成分は 1~3 秒の卓越周期が得られた。
次に,大阪堆積盆地モデルから計算される表面波(Rayleigh 波および Love 波)の分散曲線に基づいて約 1 km×1 km メッシュの卓越周期マップを作成し,関震協観測点で観測されているやや長周期地震動の卓越周期と表面波の卓越周期の比較を行った。その結果,両者は調和的であることから,大阪平野内で励起されるやや長周期地震動は主に表面波であることが示唆された。また,Love 波および Rayleigh 波の卓越周期(s)は基盤岩(Vs=3.2 km/s)深度(km)と比例関係にあり,基盤岩深度を約 5 倍すれば Love 波の卓越周期,約 2 倍すれば Rayleigh 波の卓越周期になることを示した。なお,卓越周期マップを作成する際,基盤岩深度が深く,かつ,基盤面の不整形性の強い地域では,表面波の卓越波長を半径とする円内の卓越周期に対して空間的スムージング操作を行っている。
本研究で示した大阪平野におけるやや長周期地震動の卓越周期マップは,M7~8 クラスの被害地震によって励起されるやや長周期地震動に対する高層ビルや石油タンクのレスポンスを考える上で,第一次近似的には有効であると考える。

Copyright © 2006 社団法人 物理探査学会

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