物理探査
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論文
主として磁気探査からみた田沢湖
狐崎 長琅山脇 康平
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2008 年 61 巻 4 号 p. 323-335

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抄録

 田沢湖の成因は,地学上長く謎であった。これまでカルデラや隕石口の可能性も示唆されたが,明確な証拠は発見されなかった。しかし,最近の火山堆積学的地質調査により,田沢湖から噴出されたと思われる火砕流堆積物が同定されるようになった。田沢湖の成因にかかわる湖底構造を探るため,1974-75年に,我々はこの湖水面上で磁気探査を実施した。今回このデータと共に,既存の空中磁気探査データを改めて再解析した。両データの連結と極磁力変換が,解釈に有効であった。その結果,湖底を縦断する正磁化体の潜在が明らかになった。一見岩脈状のこの岩体は,旧カルデラとみられる重力負異常域の境界急勾配帯(おそらく断層)上に位置し,やや活発な微小地震の活動帯とも重なる。湖面下に潜む振興堆は,この岩体と関連した中央火口丘のようにみえる。観測異常に適合した物理モデルも提示する。

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© 2008 社団法人 物理探査学会
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