2017 年 70 巻 p. 35-41
本稿では,2016年熊本地震の強震動の作用によって甚大な住家等の被害が発生した熊本県益城町の造成宅地を検討対象地域として選定し,常時微動計測を広域かつ高密度に実施した結果について報告する。具体的には,365地点に及ぶ常時微動計測を行い,H/Vスペクトルのピーク周波数などに着目することで,検討対象地域における地盤震動特性を明らかにした。さらに,H/Vスペクトルのピーク周波数では,被害地域と無被害地域を分類できないが,トラフとピークの周波数比(T/R周波数比)を用いることにより,被害地域と無被害地域を分類できることを明らかにした。