物理探査
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ケーススタディ
物理探査法による地中送電線周辺土壌の固有熱抵抗の評価(その2)―統合物理探査データを用いた未固結砂の熱抵抗プロファイリング―
鈴木 浩一窪田 健二海江田 秀志福田 欣也山口 伸治
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2018 年 71 巻 p. 1-14

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抄録

地中送電線路の設計では,送電線周囲の土壌の熱抵抗は送電容量を決定するための重要なパラメータとなる。従来,土壌の熱抵抗を得るには,対象地盤に発熱体や熱電対を埋設した計測法(過渡探針法)を行う必要があるため,多大なコストがかかる。そのため,現状では経験に基づく安全側の基準値(80 ℃cm/W)で代用されており,必要以上に大きい断面積のケーブルで施工される場合が多い。ここで,窪田ほか(2015)および鈴木ほか(2015)は,人工土壌試料による実験式に基づき,比抵抗から熱抵抗を推定する方法を示しているが,現地で採取した土壌試料から比抵抗や熱抵抗を測定しておく必要があった。そこで,未固結砂モデル(Avseth et al., 2005)に基づき,砂粒子粘土粒子間隙水の並列回路と空気との直列回路よりなる熱抵抗評価モデルを提案し,このモデルによる計算値は未固結土壌試料による室内試験で得られた水飽和度と熱抵抗の関係をよく説明できることが分かった。さらに,S波速度と間隙率との関係式(Avseth et al., 2005),および比抵抗と間隙率の関係式(Katsube and Hume, 1983)を組み合わせた熱抵抗の推定フローを提案した。本手法を地中送電線埋設予定地点で行われた電気探査および表面波探査データに適用した結果,比抵抗とS波速度から推定した熱抵抗と過渡探針法により測定した熱抵抗は,概ね整合することを確認した。以上より,提案した方法は最適なケーブルの設計に充分適用できると考えられる。

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© 2018 社団法人 物理探査学会
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