物理探査
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論文
ボーリング孔を対象としたミュオン密度検層装置の開発及び現場への適用
末永 弘田中 宏幸
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2018 年 71 巻 p. 148-160

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抄録

宇宙線ミュオンを用いた密度トモグラフィであるミュオグラフィは,火山やピラミッドといった巨大物体の内部可視化技術として実証されている。しかしながら現行のミュオグラフィは大型のミュオン検出装置を用いており,地下の内部構造を可視化するためには,地下に掘削されたボーリング孔に適用可能な小型化された検層装置を用いてミュオグラフィを実施する必要がある。そこで本研究では,内径10 cm程度のボーリング孔に対応する,ミュオン密度検層装置を開発した。この検層装置は,プラスチックシンチレータをダウンサイジングすることによりミュオンの飛来方向についての角度分解能の向上を図るとともに,ミュオンの飛来する視野を広げるためにプラスチックシンチレータを回動させることができるという特徴を持つ。この検層装置の機能検証を行うため,上方に50 m程度の山体を持つ水平ボーリング孔においてミュオグラフィを実施した。その結果,得られた山体の密度分布は,近傍のボーリング孔から取得されたコア試料を用いた密度の測定値と概ね整合的な値となり,検層装置の適用性が明らかとなった。また,今後大深度のボーリング孔においてミュオグラフィを実施する場合の適用先について議論し,石油・天然ガス資源開発,CO2地中貯留,メタンハイドレート,エネルギー貯蔵,圧縮空気貯蔵,地熱発電への適用可能性を示した。

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© 2018 社団法人 物理探査学会
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