物理探査
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論文
詳細震度分布と簡易微動アレイ探査による平均S波速度との関係―岩手県大船渡市における2003年宮城県沖の地震によるアンケート震度調査に基づいて―
山本 英和齊藤 剛
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2020 年 73 巻 p. 149-167

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抄録

岩手県大船渡市の振動特性を明らかにするため,2003年5月26日に発生した宮城県沖地震(Mj 7.0)のアンケート震度調査を行った。震度の算出には太田ら(1998)の改訂版を用いた。大船渡市の小学校14校,中学校8校の生徒の両親に3,387枚のアンケートを配布した。アンケートから推定された震度は,震度の分布を明確にするために250m四方のメッシュで平均した。アンケート調査のための個人間の違いを避けるために,アンケートの数が3つ以上の有効メッシュを分析に使用した。大船渡市の有効メッシュ数は212であった。メッシュ震度は6.4~4.1の範囲で分布し,大船渡市の平均は5.1であった。大船渡市の平野部にあたる中心部では震度が大きく,周辺では震度が小さいことが判明した。2003年宮城県沖地震の強震動は振動特性が地下の地質構造に依存することを示した。

大船渡市における区域ごとに震度の差異の原因を調べるために,市内14地点で,地震計間隔6mの4台の振動計からなる簡易微動アレイ観測を実施し,レイリー波位相速度分散曲線を求めた。長尾・紺野(2002)の簡便な方法で波長40mの時のレイリー波位相速度から深度30mまでの平均S波速度(AVS30)を換算し,平均S波速度分布を求め,アンケート震度との比較を行った。震度データベースを作成するための250mメッシュ平均震度とAVS30との相関係数は-0.68を示し,ある程度の相関が認められ,単純な解析である250mメッシュ平均震度でも平均S波速度からの揺れやすさとの対応を示すことが可能であった。また,大船渡では狭い地域で急に地質構造が変化するため,観測点を中心にした半径100mから500mの平均震度を算出し,その震度と平均S波速度(AVS10からAVS30)の相関を検討した。震度が大きな観測点でAVS30が小さく,震度の小さな観測点ではAVS30が大きくなる傾向が確認でき,その結果,半径250m平均震度とAVS30は強い負の相関(-0.82)を示すことが判明した。また,AVS30と同様にAVS20も相関係数が-0.81と高い値を示すことも明らかとなった。

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© 2020 社団法人 物理探査学会
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