物理探査
Online ISSN : 1881-4824
Print ISSN : 0912-7984
ISSN-L : 0912-7984
論説
海底地すべり研究の最近の動向
川村 喜一郎
著者情報
ジャーナル 認証あり

2022 年 75 巻 p. sp86-sp94

詳細
抄録

 この論文では,海底地すべりの定義,海底地すべりの形態として,一般的な地形的・地質的な特徴的な外観を紹介する。その後,火山島や沿岸堆積体での海底地すべりの事例紹介をし,海底地すべりにおける諸課題として,近年話題になっている発生年代,地盤安定性の問題として,力学バランスについて述べる。さらには地形などから判別される規模を評価する上での地すべりの発生回数と規模とについて紹介する。海底地すべりの発生メカニズムとして,滑り面や間隙水圧について述べ,最後に海底地すべりによる地質リスクと解決すべき課題として,近年話題になっている沿岸開発の一つでもある洋上風力発電開発事業における問題点について述べる。

著者関連情報
© 2022 社団法人 物理探査学会
前の記事 次の記事
feedback
Top