2020 年 52 巻 p. 135-156
慣用表現は,伝達力と感化力を兼ね備えた表現である。その中でもNV 型慣用表現はもっとも数が多く, 各種辞典や教育教材に数多く掲載されている。実際の言語生活では複数の類義語を有する語形が使用される傾向が強い。しかし,このような語形が掲載された資料は稀であり, 韓国語教育用の資料としては十分ではない。本稿は,「語形- 考え- 対象= 限定的」の関係を慣用表現の構造1, 類義語の有無によって分類される4種類のパターンを構造2とし,これらの構造をもってNV 型慣用表現の定義とした。その上で, 15種類の教育用資料に最も頻度が高く掲載されている91項目を韓国語教育用の表現として選定した。