抄録
本研究では,過去3回の調査に引き続き,2021年時点における公立図書館の指定管理者制度導入状況について網羅的な調査を行い,近年の動向について分析することを目的とする。調査の結果,2021年9月現在,283自治体,731館において指定管理者により管理運営が行われていることが確認できる。2018年度以降も指定管理者制度導入館は増加しているが,その伸びは鈍化している。事業者が変更になる事例は全体の約15%を占め,2回以上変更になった図書館も出ており,管理運営に与える影響を考慮する必要がある。公募選定における応募事業者数は少なくなる傾向が見られ,事業者の固定化が進んでいる状況が窺える。