1986 年 30 巻 3 号 p. 142-149
大阪市周辺の居住家屋26軒について, 電気掃除機によって採取した室内塵のダニを調査した。このうち23家屋からの試料について種を同定したところ, 優占種はコナヒョウヒダニで, ヤケヒョウヒダニがこれに次いで多かった。すべての家屋でいずれかのヒョウヒダニが発生し, これらが全ダニ個体数に占める割合は84.8%であった。ダニ個体数は, コンクリート家屋では築後年数を経るにしたがって減少した。さらに, カーペット使用3~4年目, 窓を閉めきっていることが多い, あるいは掃除頻度が少い家屋でダニ個体数は多い傾向が認められた。細塵量, 木造家屋や畳の使用年数, 家族数, 家族1人あたりの床面積はダニ個体数との関係は認められなかった。