本論文では、高等生を対象に、「ウェブ版人生設計ゲーム」を用いた金融経済教育の授業実践を行い、生徒の金融意識・行動、金融リテラシー、ナッジ効果と自己評価との関係を明らかにした。この結果、金融リテラシーのレベルが高いと、金融意識が高く、金融行動が活発であることが明らかとなった。また事前説明の有無別に関係性を見た結果、事前説明の有無では、最終資産残高によるステータスにのみ差が見られた。このため次に事前説明を参考にした生徒の記述を分析した結果、金融や経済に関心、金融経済教育への理解を示すとともに、消費生活に積極的に取り組む傾向にあることが明らかとなった。今後「ウェブ版人生設計ゲーム」を教材として効果的に用いるためには、単に金融に関する知識を提供するだけでなく、個々人の金融リテラシーを高めていくことが重要であることが明らかとなった。