生活経済学研究
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論文
開業後の事業者に対する政府系と民間の金融機関の役割
尾島 雅夫
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 52 巻 p. 49-62

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抄録

新規開業者の業績が安定化するには時間を要することが多い。期待した売り上げが得られなければようやく開業した事業を短期間で廃業することにつながり、開業者へはもちろん地域経済へもマイナスの影響を与えることなる。こうした開業者の心配事に対して、開業にこぎつけるまでサポートしてきた金融機関は、引き続いて開業後も事業者に対して支援ができているか、金融機関の支援の有効性を雇用成長面において捉えるため定量分析をおこなった。分析手法として雇用成長率と金融機関借入には内生性の問題があることを考慮して2SLSを用いた。 得られた結果によると、民間金融機関と日本政策金融公庫の両者から併用して借入れている開業者の雇用成長率は時間経過とともに増加していることがわかった。新規開業を達成した後も金融機関と事業者の関係性が維持され、民間金融機関と日本政策金融公庫の金融支援が補完されることにより雇用へプラス効果をもたらしていることを示唆している。一方、民間金融機関のみ借入れている開業先や日本公庫だけから借入れている開業者と雇用成長との関係性は見られなかった。

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