日本生気象学会雑誌
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原著
出雲平野の築地松の西日遮蔽効果に関する実測および幾何学的評価
長野 和雄小松 充典
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2009 年 46 巻 4 号 p. 109-119

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抄録

本研究の目的は出雲築地松の西日遮蔽性能を実測により確かめ,幾何学的評価により定量的に捉えることである.45 軒の築地松形態を実測し,代表値や分布範囲を明らかにした.屋敷周りの屋外照度を築地松を有する 15 点,雑木を有する 11 点,いずれも有さない 20 点の別に測定したが,昼光率・昼光遮蔽率に築地松と雑木の間で明確な差は認められなかった.住宅西側に築地松を有する 1 軒,有さない 1 軒について日射量・外気温・外壁内外表面温・室温を測定し,築地松を有する 1 軒では日射量が著しく小さく,外気温・外壁内外表面温・室温とも明らかに低かった.築地松形態から幾何学的に推定した日射量は実測値と良く対応し,45 軒の築地松形態の代表値に基づいて導いた日射遮蔽率は 8 割強であった.

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© 2009 日本生気象学会
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