日本生気象学会雑誌
Online ISSN : 1347-7617
Print ISSN : 0389-1313
原著
屋外空間における環境刺激が人体の温熱感覚に与える影響
藏澄 美仁松原 斎樹土川 忠浩近藤 恵美石井 仁深川 健太安藤 由佳大和 義昭飛田 国人堀越 哲美
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2011 年 48 巻 4 号 p. 129-144

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抄録

本研究の目的は,夏季の屋外空間における環境刺激が人体に及ぼす影響を明らかにすることである.測定は,地表面が砂利や土などの裸地,コンクリートやアスファルト,ブロックなどの舗装地,緑で覆われている緑被地,水面などの地表面の状態と,建物や樹木などによる天空率を考慮した観測点にておこなった.樹木などの自然物要因で覆われている観測点を自然景観観測点とした.次に,建物やコンクリート・ブロック舗装などの人工物要因で覆われている観測点を人工景観観測点とした.そして,水面などの自然物要因と建物やアスファルト舗装などの人工物要因が混在する観測点を混在景観観測点とした.実測の結果,樹木などの緑で構成する自然景観による視覚刺激は,建物やアスファルト舗装で構成する人工景観による視覚刺激と比較して,温冷感の中立温度が 3.5℃程度低くなり,暑熱感覚を緩和させる効果が示された.自然景観観測点は,他の景観観測点と比較して,平均皮膚温が上昇しても快適感の低下が小さいことが明らかになった.樹木などの緑で構成する自然空間の方が,コンクリートや金属などで構成される人工空間よりも快適感を改善するには有効であることが示された.夏季の室内空間における温熱環境刺激よりも屋外空間における温熱環境刺激に対する人体の許容限界は高くなることが明らかになった.

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© 2011 日本生気象学会
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