日本生気象学会雑誌
Online ISSN : 1347-7617
Print ISSN : 0389-1313
ISSN-L : 0389-1313
原著
高齢者における夏季の冷房使用状況と冷房使用時の生理的反応と温熱的快適性に及ぼす気流の影響
田中 英登梅田 奈々
著者情報
キーワード: 高齢者, 熱中症, 冷房, 気流
ジャーナル フリー

2015 年 51 巻 4 号 p. 141-150

詳細
抄録

高齢者における屋内熱中症発生の予防策として,冷房の使用が推奨されている.しかし,先行研究より冷房の苦手な高齢者が多く,冷房を使用していないことから,高齢者が好むあるいは苦手とならない冷房環境について,特に冷房気流の影響について明らかにすることを目的として研究を行った.研究調査は,先ず第 1 に高齢者の冷房使用実態を推測するため,生活温度環境の調査を行い,10 人中 3 人は 1 日中冷房を使用していなく,6 名は夜間使用していないことが示唆された.第 2 に,気温 28℃における気流条件を気流なし,微気流,マイルド間欠気流及び強い気流の 4 条件に設定し,高齢者及び若年成人の生理指標及び心理指標の測定を行い,比較を行った.高齢者は若年成人に比して,気流の影響を強く受け,気流が強いほど皮膚温低下,血圧上昇を示し,心理的にも不快感が強まることが示された.高齢者の冷房気流については,できるだけ小さくするか,あるいは皮膚温低下を起こさないような新たな気流条件を考えることが必要と考えられた.

著者関連情報
© 2015 日本生気象学会
前の記事 次の記事
feedback
Top