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日本生気象学会雑誌
Vol. 52 (2015) No. 4 p. 199-211

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http://doi.org/10.11227/seikisho.52.199

原著

本研究の目的は,健康な若年女性を対象に,冷え症の要因として遺伝子変異が関わっているか否かを明らかにし,冷えの発症機序を自律神経機能から解明することである.女子学生 27 人を冷え症 17 人と非・冷え症 10 人の 2 群に分け,肥満関連遺伝子(UCP-1, β2-AR, β3-AR)と高血圧関連遺伝子(AGT)の変異の出現頻度を検討した.その結果,冷え症体質者では非冷え性体質者に較べ冷水負荷後の皮膚温度回復が遅く(P=0.006),β3-AR 遺伝子変異の出現率が高いことがわかった.次に,β3-AR 遺伝子を wild 群と mutant 群の 2 群に分けて,冷水負荷時の自律神経活動の変化を心電図の R-R 間隔から検討した.冷水負荷により心臓交感神経活動は抑制されその後回復するが,mutant 群では wild 群と比較して回復が遅延し,有意差が認められた.以上から,冷え症は β3-AR 遺伝子変異が引き起こす交感神経の反応性の低下に起因する可能性が示唆された.

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