日本生気象学会雑誌
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原著
段ボールベッドが低温環境での入眠過程に及ぼす影響
水野 一枝水野 康西山 加奈田邊 素子水谷 嘉浩小林 大介
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2017 年 54 巻 2 号 p. 65-73

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抄録

段ボールベッドが低温環境での入眠過程に及ぼす影響を検討した.対象は成人男性 12 名とし,15℃ RH 60% の環境で床の上(条件 F)と床の上に段ボールベッドを使用(条件 B)した場合の 2 条件で 13:15~15:15 に就寝した.測定項目は睡眠脳波記録,皮膚温,寝床内気候,衣服気候,就寝前後の寝具の評価,温冷感,湿潤感,快適感や睡眠感等の主観申告であった.睡眠には条件間で有意差は見られなかった.背の皮膚温は条件 B で条件 F よりも有意に高かった.寝床内温度は,背部の全就床時間,足部の睡眠後半が条件 B で条件 F よりも有意に高かった.主観申告では,条件 B で条件 F よりも寝ていた時の温冷感が有意に暖かい側,快適感も快適側,寝具も柔らかい側の申告であった.低温環境での段ボールベッドの使用は,背の皮膚温,足部と背部の寝床内温度を高く保ち,寝ていた時の主観的な温冷感,快適感,寝具の固さを改善する可能性が示唆された.

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© 2017 日本生気象学会
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