日本生気象学会雑誌
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広島県極楽寺山周辺におけるオゾン濃度の季節変動と渓流水質
苗村 晶彦奥田 知明渡辺 幸一福岡 義隆
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2019 年 56 巻 2 号 p. 101-107

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抄録

森林衰退が報告されている瀬戸内海沿岸部の広島県極楽寺山南側斜面における二十四節気によるO3濃度の季節変動と,極楽寺山周辺の渓流水質を調査した.極楽寺山南側斜面のO3濃度は3年間の平均で24.6 ppbであり,首都圏の東京タワーと同程度で季節変動もほぼ同様であった.渓流水中の全平均値(n=12)はCl-濃度で90.4μMとなり首都圏の沿岸部に比べて4分の1程度であり,NO3-濃度は13.8μMで窒素飽和が散見される首都圏に比べて低いが20μM以上の場合もあった.O3とNO3-はNOxからの二次的生成物として連動することもあるので,アジア大陸からの越境汚染の影響もありO3濃度等の環境把握は重要である.

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© 2019 日本生気象学会
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