2023 年 60 巻 1 号 p. 15-22
気象変化に伴って起こる痛みや体調不良(天気痛)の全国的な地域特性を調査するため,「ウェザーニュース」アプリ内の天気痛予報コンテンツに寄せられた症状報告のデータ(期間:2020年6月1日〜2022年12月31日,報告数:434,409件)から,天気痛を感じた報告の割合を都道府県ごとに算出し,天気痛の痛みが起こりやすいエリアを分析した.また,天気痛に関連すると考えられている3種類の気圧要素(微気圧変動,低気圧・高気圧による気圧変化,大気潮汐による半日周期の気圧変動)を示す指標を症状報告と同期間について作成し,各気圧要素の地域特性を調査した.その結果,変動の大きい気圧要素は都道府県によって異なり,全国の中で天気痛の痛みを感じた報告の割合が多かった山形県・山梨県では,3種類のうち組み合わせが異なる2種類の気圧要素で変動が大きいことが分かった.