アレルギー疾患をひき起こす室内塵性ダニの優先種であるヤケヒョウヒダニ (Dermatophagoides pteronyssinus) とコナヒョウヒダニ (D.farinae) の行動に及ぼす精油の影響を, 6種類め材油, 27種類の葉油および5種類の主要な精油構成成分を用いて調べた.ダニの行動は, 1) 歩いているダニ, 2) 動きのあるダニ (脚・鋏角・触肢のみ) , 3) 動きのないダニ, に分けられ, 24時間, あるいは, 72時間後まで, 経時的に観察された.
その結果, 第1に, ダニの行動に及ぼす抑制効果は, 精油あるいは精油成分の種類によって異なること, 第2に, 精油に対するダニの感受性は, 種 (ヤケヒョウヒダニ≧コナヒョウヒダニ) および1生 (雄>雌) によって異なること, が明らかになった.