日本生気象学会雑誌
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褐色脂肪組織の増大と血管新生における寒冷馴化ラット血漿の効果
山下 均佐藤 昇斉藤 大蔵若林 和夫上野 伸正大野 秀樹
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1992 年 29 巻 2 号 p. 113-118

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抄録

寒冷馴化による褐色脂肪組織 (BAT) の増大を細胞増殖の面から検討した.常温 (WA, 25℃) と低温 (CA, 5℃) 環境下において4週間飼育したラットより, 血漿および肩甲骨間から採取したBATの抽出液を調製し, in vitroでラット褐色脂肪細胞の増殖と血管新生に対する効果を検索した.寒冷馴化によりBATは著明に増大したが, WA, CAラットいずれの抽出液も, in vitro褐色脂肪細胞とウシ血管内皮細胞の増殖を促進し, 両群間に差はみられなかった.一方, CAラット血漿はWAラット血漿に比べてin vitroで各細胞の増殖を強く促進したばかりでなく, 血管新生に対しても高い効果を示した.以上の結果より, 寒冷馴化によるBATの増大は血漿中の液性因子により強く影響を受けると共に, 血管新生と密接な関係があることが示唆された.

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