日本生気象学会雑誌
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透湿性及び非透湿性外衣の衣服内気候に及ぼす効果
前田 亜紀子山崎 和彦飯塚 幸子吉田 燦
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1999 年 36 巻 1 号 p. 31-42

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抄録

本研究の目的は, 透湿性防水素材 (ミクロテックス: MT、ゴアテックス: GT) 及び非透湿性防水素材 (ハイパロン: HP) からなる外衣が, 生理心理的な温熱ストレスに及ぼす効果について観察することであった.若い成人女子6名 (年齢22.7歳, 体重58.1kg, 身長164.2cm) を被験者とした.人工気候室は10℃・RH40%, 10℃・RH80%, 20℃・RH40%, 及び20℃・RH80%に制御された.被験者は30分間にわたる踏台昇降作業を行った.作業強度は漸増し, 最終段階におけるエネルギー代謝率 (RMR) は6.1 (5.4~6.6) であった.衣服内気候, 平均皮膚温, 貯熱量の各値は, MTよりHPの方が高くなる傾向にあった.直腸温及び心拍数は, 作業最終段階において, 各々, 0.6℃及び50~60拍/分上昇した.しかしながら, それらの値は, 素材間において有意差を示さなかった.

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