本稿は、学会誌『生産管理』の2010年から2011年の2年間に掲載された、生産性に関する展望論文である。すなわち、この分野に関する研究の結果・結論を総括し,残された未解決の問題を指摘し,そして今後の発展方向などを展望する.我が国の優れたものづくりの技法をサービス業に適用すべしとの議論があるけれども、実際の成功例はそれほど多くはない。医療サービス体制の確立を訴える澤田、流通業でのIT投資の有効性の有無を論じる城・宮崎、製造業の一角を占める食品製造業の生産性の原因と対策を論じる弘中、雇用の場に足を踏み入れてとくに非正規社員のモティベーションを重視する鈴木、そして生産管理技法に独自の工夫を凝らして保育所および経済研究所の生産性向上に貢献した指導実践例を示した日野である。本学会のこの問題への真摯な取り組みの一端を示すものである。