日本は2004年まで太陽電池の累積設置量と生産量において世界のトップの座にあった。しかし,太陽電池で発電した電力の固定価格買取制度(以下FIT)が広く採用されると,設置量ではドイツに,生産量でも中国に首位の座を明け渡している。
2012年より日本でも再生可能エネルギー特別措置法による再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まると,日本でも太陽電池の設置量も大幅に増加し始めた[1]。
太陽電池はさまざまな環境に優しい特性を有するが,現在の市場は,価格を最も重要視していると考えられる。また,買取制度による市場の経済合理性が,環境配慮型製品である太陽電池の技術の方向性に大きく影響を及ぼしていると考えられる。