2007 年 14 巻 1 号 p. 61-66
新生児集中治療室 (MCU) の室内は, 医療機器で発生する動作音や警報音, さらに医療スタッフの会話や歩行音などの騒音にさらされている。これらの騒音は、NICUで治療を受けている新生児にとって大きなストレスとなり, 発育の大きな妨げになる。このため, 各病院において騒音環境を改善するための取組みがおこなわれている。しかし従来の騒音対策は, 各病院独自の指針に基づいておこなわれているものであり, より効率的でかつ質の高い改善を行なうためには, 騒音環境改善策に関する医療スタッフ間の共通の指針が必要になってくると考えられる。そこで本稿では, 先ず従来の騒音改善策について述べ, それらを基にして, より効率的に騒音対策を進めるための取組みついて考察する。さらにそれらを体系化することで, 共通の指針と改善案としてまとめることを試みる。