2011 年 63 巻 2 号 p. 229-234
近年,ますます増加する交通事故を未然に防ぐため車載カメラによる歩行者認識技術はその開発が急がれている.本稿は単一の技術での複数画角の車載モノクロカメラ画像上の歩行者認識技術について提案している.画像上の動き差分から前景を抽出し,時空間MRFを用いて追跡しHOG/Fisher判別器にかけ歩行者とそれ以外の物体を判別している.その後,歩行者領域の相対軌跡を算出した.実際に道路を走行して撮影したシーンに対し本手法を適用した結果,歩行者の検出率90%以上,非歩行者の誤検出率10%未満を達成し,実用面における有効性を示した.