2012 年 64 巻 2 号 p. 155-160
道路構造の精緻な三次元形状モデルは, 安全対策や運転シミュレーション, 自動運転の参照用データなどあらゆる用途に対して基本となる情報である.GPSが使用できないトンネル内ではジャイロセンサなどを用いた位置推定に基づいてモデリングが行われることが多いが, 数kmに渡る長大トンネルでは誤差の蓄積が問題となる.今回我々は, (1)トンネル内部の部分形状を静止計測と移動の繰り返しによって獲得し, エッジ特徴を利用した3Dマッチングによりそれらを位置合わせする(2)トンネル両端部の形状データの絶対位置を高精度GPSにより固定的に与え, 他のデータを改めて位置合わせすることで幾何的に最適な全体形状を得る手法を開発し, 新東名高速道路・金谷トンネル(全長4.6km)の三次元形状モデルを構築した.