2012 年 64 巻 2 号 p. 185-192
2011年3月11日の東日本大震災は, 東北の被災地における甚大な被害と同時に, 都市部においては交通・情報の切断による多大な影響や人口集中ゆえのリスク, また一方でソーシャルメディア等の新しい情報サービスの有効性など, 様々な課題と可能性を示したと考えられる.特に, 6月に石巻で調査を行った結果からも, 災害時におけるEV(電気自動車)の有効性は大きく, 長崎県五島列島で現在推進している長崎EV&ITSプロジェクトの目指すべきところの重要性と, さらにそれをより広い新たな社会モデル提案としていく必要性が強く感じられた.
本稿においては, そうした背景を元に, 当該プロジェクトの最新状況と, さらにその将来展望として, 環境未来都市構想「MITE(Mobility-IT-Energy)ネットワークプロジェクト」について紹介する.