2012 年 64 巻 2 号 p. 273-277
高齢者による交通事故の件数を減らすため, 高齢者向けの運転支援システムの開発が望まれている.従来の運転支援システムは音声によるものが一般的であるが, 特に高齢者には, 情報過多によって運転に悪影響を与える危険性が否定できない.本研究では, 高齢者に適する運転支援システム開発の一環として, 音声刺激が高齢ドライバの運転行動へ与える影響を実車実験で調べた.右折時の操舵量, および左折後の直線区間の操舵量を解析した結果, 音声負荷が与えられた時に, 操舵が不安定になる傾向が見られた.