2012 年 64 巻 4 号 p. 445-450
本報は,2011年東北地方太平洋沖地震における木造校舎の被害を整理した.
木造校舎の,振動被害としては,古いタイプの木造校舎では,モルタル外壁の亀裂,剥落といった仕上げ材の被害が多く,構造躯体への被害は,土壁の剥落,方杖付き柱などこれまでの地震被害と同様の被害が見られたが,数は少なかった.大断面集成材を用いた新しい木造校舎では,柱脚部や丸鋼ブレースのコンクリート基礎部での損傷が見られたが,構造体への大きな被害は見られなかった.地盤変状に伴う被害は,斜面崩壊によって上部構造が引きずられる傾斜被害や,液状化による建物の大きな傾斜が見られた.[本要旨はPDFには含まれない]