2012 年 64 巻 4 号 p. 601-605
超高強度繊維補強コンクリート(UFC)は,ひび割れ発生後においても引張力を十分に負担できる優れた力学特性を有している.しかし,塩分環境下でひび割れが発生した場合,鋼繊維が腐食することが懸念され,その状態で引張力をどの程度負担できるかは不明確である.本研究ではひび割れを有するUFCを海水に浸漬し,一定の浸漬期間後の内部の鋼繊維の腐食状況および引張軟化特性を把握することにより,ひび割れ発生後にUFCが保有する耐引張性能を評価した.その結果,海水浸漬による内部の鋼繊維の腐食がひび割れを有するUFCの引張応力負担に影響を与えることが確認された.[本要旨はPDFには含まれない]