2012 年 64 巻 4 号 p. 623-627
移動床土槽内でベンダーエレメントを用いた多点送信多点受信のせん断波測定を実施し,トモグラフィ解析を施すことにより内部の応力分布の推定を試みた.ベンダーエレメント法は要素試験装置内への適用は多く報告されている.模型実験に適用する際,一般に応力レベルが低いので受信信号が微弱でノイズの除去などの信号処理が不可欠である.また,素子の配置の仕方によっては土槽壁の拘束の影響を受けるので,配慮が必要であった.移動床実験時の模型地盤内の応力分布をせん断波速度測定のトモグラフィによる逆解析により推定したところ,密詰め地盤において,土槽底版分で測定した境界部の応力とせん断により生成するすべり面と矛盾しない結果が得られた.[本要旨はPDFには含まれない]