2014 年 66 巻 2 号 p. 263-266
多くの研究者により熱処理解析は研究されており,適切な熱処理条件の導出に活用されている.しかし,相変態の進行に関して十分に検証された研究は,著者らの知る限り行われていない.特にベイナイト変態は一般的に中間型変態と分類されるが,ほとんどの場合でフェライト・パーライト変態と同様に拡散型変態として扱われている.そのため熱処理後のベイナイト生成量は実験結果と乖離が生じることが多い.本研究では従来の方法による課題を明確化した上で,相変態の進行に関する発展式を拡張する.また,これらの結果を実験結果と比較することで本研究の有用性について検討する.