2016 年 68 巻 6 号 p. 461-469
本稿は,自動車から歩行者までの多様な交通モードにおいて,移動体の性能・機能が将来大きく変換する将来像を考慮し,道路等の移動空間等のインフラ側が備えるべき機能,性能について,その計画・設計論,さらに,その運用技術やこれらを支える社会規範・制度等技術以外の関連条件について,中長期的な観点で「学」の立場より提言したものの概要版である.今後の高度道路交通システム(ITS)の推進にあたり,行政,民間,研究機関等の様々な立場の人が,共通の視点に立って研究開発,実用化,導入を進めるよう,ITS の方向性や今後のITS 全体を検討していく上で考慮すべき事項や課題を共有できる指針としての使用を想定している.