2017 年 69 巻 2 号 p. 51-55
首都圏三環状道路の概成にともない,高速道路網の効率的な活用を促す施策への期待が近年高まっている.その一つとしてランプ・メタリングが挙げられるが,多くの手法は局所的な交通状態の改善を目指すものであり,それらがネットワーク全体に与える影響についての知見は十分に蓄積されていない.本研究ではネットワークの効率的利用に向けたベンチマークになりうるランプ制御パターンを考察する.具体的には,高速道路本線上で渋滞が発生しないという条件下における総旅行時間最小化問題を定式化し,その解である最適なランプ制御の特性を簡単な数値計算例により分析する.