生産研究
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研究速報
HCV感染動態マルチスケール数理モデルにおける定式化の違いの検証
北川 耕咲中岡 慎治浅井 雄介合原 一幸岩見 真吾
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2017 年 69 巻 3 号 p. 151-153

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抄録

ウイルス感染の基本モデルに,感染細胞の感染年齢および細胞内のウイルスRNA 量を組み込むことで,抗ウイルス治療下のHCV 感染動態を記述する数理モデルが構築される.得られる数理モデルは,偏微分方程式を用いたマルチスケールモデルであり,これまでは,新規感染が起こらないという条件下で得られる解析解を用いて,HCV 感染動態が記述されてきた.しかしながら,このアプローチでは,実際の臨床データへの適用に制限があった.本研究では,PDE モデルに新しい仮定を置くことなく同値な常微分方程式(ODE)によるモデルを導出し,PDE とODE のシミュレーションを比較した.また,これによって導出されたODE は臨床データをより良く表現しうることを示した.

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© 2017 東京大学生産技術研究所
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