2017 年 69 巻 4 号 p. 207-210
本研究では,幾何ブラウン運動過程によって表される劣化過程を橋梁に適用し,その最適な補修計画を考えた.マルコフ過程を用いたハザードモデルとは異なり,このモデルでは幾何ブラウン運動過程の導入によって劣化過程を非負かつ連続的に表現することができる.我々は本モデルから導かれる確率密度関数を用いて複数の橋梁を含む全体の信頼度を算出し,それを最大化するような改修計画を導出した.この改修計画は,優先度を設定するのが難しい橋梁のマネジメントにおいて指針と成り得るだろう.