2017 年 69 巻 6 号 p. 399-403
近年,電気自動車など自動車のエレクトロニクス化に伴い,電線配索部材の軽量化が求められている.軽量化の方策のひとつとして電線の細線化を行うが,高強度・高延性を有する銅材料創製が必要となる.本研究では,合金化などに頼らない結晶粒微細化強化に注目し,更に新規加工法『連続曲げ引抜加工』を用いることで,強度延性バランスの変化を試みた.本解説では,機械的・電気的特性と金属のミクロ組織の変化について系統的に調査し,加工による特異的な力学特性変化並びに加工素過程と金属組織の関係について解説する.