2018 年 70 巻 1 号 p. 29-32
熱流体システムの正味のエネルギー効率向上のため,乱流熱対流場における熱交換器の性能向上が求められている.随伴解析に基づく形状最適化理論により,対流熱伝達を考慮した伝熱面形状最適化が達成されてきた.非定常性の強い乱流場における形状最適化では,非定常随伴解析に用いる運動量輸送への線形化が不適切となるため,乱流モデルによる定常RANS 方程式をベースとした定常随伴解析を用いるのが主流である.しかし乱流モデルはその精度に議論があり,得られる最適形状が実際の性能向上を保証しない.そこで,DNS やLES などの高精度非定常数値シミュレーションを実施し,得られた乱流統計場から評価された高精度乱流モデルを随伴解析に用いる新しい手法を提案する.