2018 年 70 巻 4 号 p. 229-233
2011 年3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震津波では,北海道から千葉県にいたる太平洋沿岸部に津波が浸水し,その面積は約561㎢に及んだ.このような広域に及ぶ津波浸水域を発災後早期に把握するためには,リモートセンシング技術が有効である.これまでにもSAR 強度画像による浸水域の抽出技術が開発されてきたが,一度水没し,その後水が引いてしまった浸水域を抽出することが困難であった.それに対し本研究では,SAR 強度画像と光学画像を組み合わせることにより,この地域における浸水域を高精度に抽出する手法を開発する手法について検討を行った.