2019 年 71 巻 6 号 p. 1033-1035
本研究では,低温テラヘルツ近接場顕微鏡(低温THz-SNOM)のSN 比向上のため,従来利用されているタングステンと比べて酸化されにくく,近接場光の散乱性能が高いと予想される白金イリジウムを用いた探針の開発を検討した.電解研磨法によって,白金イリジウム微細径線材の先端の先鋭化を行った.電解液および電流波形を変えて電解研磨を施すことで先端径が50 nm 程度の探針が得られた.作製した探針の有用性を評価するため,室温で金薄膜の近接場信号取得を試みたところ,従来のタングステン探針と同等の近接場像の取得が可能であった.