2022 年 74 巻 4 号 p. 335-340
輸送部門の脱炭素化,更には太陽光発電や風力発電などの導入促進に必要な調整力の提供手段として,電気自動車(EV)の導入が注目されている.しかし,EV 充電を「脱炭素化」する方法は自明ではない.本研究では,EV の充電の「脱炭素化」について,EV 利用者,電力小売事業者,電力システムの観点から整理し,既存の充電手法の課題を示す.その解決策として,EV の充電電力需要をグリーン電力などと契約する需要家の電気料金メニューに合算して精算する方法を提案する.この合算メニューを,移動する電力需要に対するサービスを指す概念としてのPlace of Use (PoU)の一例として位置付ける.