2026 年 78 巻 2 号 p. 103-109
血流により血管内皮細胞表面に生じるシェアストレスは,血管機能の恒常性維持および血管疾患の発症・進展に関与する重要な力学刺激である.しかし,生体内では多様な要因が複雑に絡み合っているため,シェアストレス単独の血管内皮機能への影響を体系的に理解することは容易ではない.本稿では,血管内皮におけるシェアストレス応答の分子機構を概説する.併せて,同研究領域において用いられてきた代表的なin vitroモデルを,各モデルの有する特性に基づいて紹介する.これにより,血管内皮におけるシェアストレス応答を評価するための実験モデル選択の指針を示すとともに,高解像度な血管内皮応答解析に向けた今後の研究展開について論じる.