日本生態学会誌
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里山地域における住民参加型博物館の生態学分野における役割と課題 : 等身大の科学を目指した博物館活動(<特集2>博物館の生態学-市民と生態学者をいかにつなげるか-)
永野 昌博畑田 彩澤畠 拓夫
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2005 年 55 巻 3 号 p. 456-465

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抄録

里山科学館越後松之山「森の学校」キョロロは、人口約3,000人の農村地域において地域住民と共に地域に根ざした研究-等身大の科学-の実践による地域の活性化を目指して、里山保全、社会教育、産業支援、農村と都市との交流活動など幅広い事業を展開している博物館である。本稿では、学芸員としての使命と地域住民からの期待との間で試行錯誤しながら進めている「教育・普及活動」、「里山保全活動」、「住民参加型GISデータベースの活用」の活動事例を紹介する。また、それらの活動を通じて考えられた都市、都市近郊とは異なる農村地域の現状とニーズに基づいた地域固有の里山保全活動の方向性ならびに農村地域の博物館が地域社会や生態学分野に果たす意義や役割、課題や可能性について提案する。

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© 2005 一般社団法人 日本生態学会
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